ウォーターサーバーの導入

ウォーターサーバー原因となる塩素が、発ガン性物質をつくることが分り、飲み水の安全を守るどころか危険物質と見られるようになってしまった。その余波を受けて塩素そのものの毒性も問題になり、塩素の使用に反対する人の中には、「国は国民に毒が入った水を飲ませている」

といった極端な主張をする人もいる。

現在浄水場で主に使用されているのはウォーターサーバーで、強い酸化作用を持っているため、アンモニア性窒素や有機物の酸化に使われている。また酸化によって活性酸素ができるが、それが細菌や微生物の呼吸系酵素を破壊し、細胞の同化作用を止める働きをするため、殺菌剤として消毒用に使われている。

人の体も細胞から構成されているわけで、その働きを壊す塩素は人にとっても有害ではないかと思われる。

水道水を入れた水槽に金魚を入れると死ぬし、浄水器を売るセールスマンの中には、「健康に害になる塩素は、浄水器で除いた方がいい」とか、「酸化で活性酸素が出るので、この浄水器はそれを還元する作用がある」と説明する者もいて、一般の人は塩素も怖いと思ってしまう。

そこで塩素を使わない殺菌方法として、オゾンや紫外線などによる処理も考えられている。ウォーターサーバーを導入している浄水場では既に採用され、カルキ臭はもちろんなく、カビ臭物質や汚れを分解し水もおいしくなる。そのうえトリハロメタンの発生もなく、塩素に代わる消毒法として期待されているが、残留性がないため、塩素のように浄水場を出てから家庭まで、長く殺菌効果を持続させることはできない。

水道水中の残留塩素濃度は、一リットル当り○・一ミリグラムとなっているが、これは殺菌効果があり、同時に人体には害のない濃度として決められたものだ。これ以上の濃度になることもあるが、残留塩素は飲んでも囗の中の食べ物などと接触すると分解して不活性化されるので、急性毒性の面での健康への影響はない。

また慢性毒性についても、一〇〇年以上の水道の歴史の中で、塩素による障害は報告されてないので、まず心配はないだろう。塩素が人の健康におよぼすマイナス面と、水系感染症を防ぐというプラス面とを天秤にかけると、プラス面がはるかに大きいということで塩素が使われているわけだ。

ウォーターサーバーに含まれるミネラル成分

ウォーターサーバーに含まれるミネラル成分

これらマクロミネラルのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウムなどは、水や食物から人間の体内に吸収されて〈細胞内液〉や〈細胞外液〉に溶け込みぷ心解質イオン” となります。

約50パーセント、小魚や野菜では15~30パーセント程度しか吸収率がありません。それはこれらの食品に含まれているカルシウムがイオン化されていないためです。一般的に食品に含まれるカルシウムは、炭酸カルシウムや乳酸カルシウムなど、他の物質と結合した形で存在しています。それが胃や腸によって消化されてカルシウムイオンとなり、小腸の細胞膜を通り抜けることができる大きさになって、やっと体内に吸収されます。

ところが、先ほど説明した通り、カルシウムは水に溶けることでイオン化するミネラルですから、ミネラルウォーターの中にはカルシウムが最初からイオン化されたものがあります。

こうしたカルシウムは非常に吸収率が高いのです。フランスにある、世界で唯一といわれる水専門の研究機関『ウォーター・インスティテュート・ペリエ・ヴィツテル』では、日本でも輸入販売されている〈ヅイツテル〉という水のカルシウムの吸収率について、さまざまな研究を行なっています。そしてその結果、〈ヴィッテル〉に含まれるカルシウムには、食品の中で最もカルシウム吸収率が高いとされる牛乳と、同等以上の吸収率があることがわかっています。

また、日本人には、乳糖不耐症といって、牛乳に含まれる乳糖という物質を分解するラクターゼという酵素を先天的に持っていない人がたくさんいます。たとえば牛乳を飲むとすぐ下痢をしてしまうという人がそうです。こういう体質の人は体内で乳糖を分解することができず、そのまま体外に出してしまうのですが、その時一緒にカルシウム分も排出してしまいます。

従って、こうした乳糖不耐症の人には、牛乳よりもミネラル分を多く含んだ〈ヴィッテル〉のようなミネラルウォーターの方が、はるかにカルシウム吸収率が高いといえるのです。

日本と異なり水成岩の地層でできているヨーロッパには、カルシウムやマグネシウムをたくさん含んだ水が多いため、ミネラルウォーターがミネラルの補給源として積極的に利用されています。おそらく今後は日本でも、ごうしたヨーロッパの「水でミネラル補給をする」というスタイルが、広く一般にも浸透していくと予想されます。

「海洋深層水」は、ミネラル成分が豊富

「海洋深層水」は水深二〇〇メートル以下の深海から採水された水で、ミネラルが豊富で体によいといわれ、ペットボトル入り飲料水だけでなく、豆腐などの食品、化粧水や浴用水など、関連商品が年々増加している。

海洋深層水は表面の海水と違って、太陽光が届かないため、藻や細菌の繁殖が少なく清浄で、しかもマグネシウムなどのミネラル成分を豊富に含んでいる。深層水の存在は古くから知られていたが、利用研究が始められたのは二〇年ほど前で、その研究過程で一般の水にはない特性が分かってきた。なかでも含まれるミネラル成分が、生活習慣病や中性脂肪、血糖値の低下に効果があるという研究結果が、テレビや新聞、雑誌などに取り上げられ、「海洋深層水ブーム」に火がついた。

現在販売されている関連商品の中心は飲料用で、ミネラルウォーター売場に並べられている。そのミネラル成分をミネラルウォーターと比べると、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどが多く含まれ、カルシウムは少ないという結果が出ている。海洋深層水もミネラルウォーターの一種と考えてよいが、ミネラルバランスがよくマグネシウムが豊富なことが特長とされている。

特にマグネシウムは体の代謝作用を改善し、糖尿病などの生活習慣病、心臓病、動脈硬化予防のために重要なミネラルで、その働きで中性脂肪や血糖値が正常値まで低下したという研究結果も発表されている。前にテレビのワイドショーで、飲んだ人の血液がサラサラになったという実験結果が大きく報道されたことがあった。これもマグネシウムが関係していることも考えられるが、まだ研究途上でその因果関係が十分解明されているとはいえない。

深層水は「きれいな海水」といっても、海水をそのまま飲むことはできないので、脱塩装置などにより塩分やミネラル分を除き、飲用に適するように調整して製品化されている。また脱塩、脱水した深層水の濃縮液を、一般のミネラルウォーターに混合したものもある。したがって売られている商品は、深層水そのままというものはなく、その成分内容も商品によりかなり差があると見てよい。

海洋深層水商品は、一般のミネラルウォーターに比べてミネラル成分が多く、健康によい水と考えられるが、まだ研究途上で効能や効果について科学的、医学的に裏付けるデータが不足している。したがって本当に体にいい水かについては、なお今後の研究が進むのを待たなければならない。「体にいいかもしれないミネラルウォーターの一種」と考えた方がいいが、ナトリウムやマグネシウムが多いので、決しておいしい水とはいえないようだ。